内容やリズムをできるだけ損なわないようにするほか、語彙面では、ただ単に低頻度語彙を減らすのではなく、以下のように考えてリライトしています。中級後半クラス対象の素材だとしたら、
・書き換え後に95%点が7K以下程度になるようにする。
・書き換え後に98%点が10K程度になるようにする。
・ただし、例えば95%点を考える際に、
95%を超えるレベルに以下のような語がある場合は、
それを95%以下の既知語に準じるものと考えてよい。
繰り返し使われるキーワード
書きことばでは低頻度でも、話しことばでは高頻度でなじみがあると思われる語
外来語や漢語で、学習者母語などの知識から正しい意味が理解できる語
単漢字の組み合わせで意味が容易に分かる漢字語
語構成要素の組み合わせで容易に理解できる複合語(特に「突き倒す」のような複合動詞など)
誤解析によって低頻度語とされているもの(こういうこともあります・・・ご容赦を!)
上記諸点を考慮に入れたうえで、
・98%点を超える語はできるだけ高頻度語に書き換えるか、削除する
・95%点から98%点あたりの語(理想的には7Kから10Kあたり)の語を学習ターゲット語彙と考えて、
このレベルの語が1回しか使われていなかったら、できるだけ“複数回登場”するように書き換える。
(1回しか出てこない語はなかなか覚えられないため。)
・高頻度語に入れ替える simplification だけでなく、
関係節や挿入句で語釈的な表現を文章に混ぜ込む elaboration も使ってよい。
・難しい構文や慣用句も多ければ減らす。
・と同時に、不自然にならないようにする。
この辺の総合的なバランスが難しいところですが・・・