このソフトは、以下のような考え方を背景にしています。
1) 語彙・漢字はおおよそ頻度の高いものから順に習得されることが多い
教科書や学習素材等の影響もうけますが、ある程度日本語に触れる環境で学習をする場合、おおよそ頻度の順に習得されると考えられます。
2) 読解に最も重要なのは語彙力である
開発者は、日本語の場合、おそらく読解力の半分ぐらいは文字力を含む語彙力で説明できる、少なく見積もっても40%以上は語彙力である、と考えています。語彙力のほかには文法力、背景知識、推論の能力などが関係していると考えらえます。なお、ここでいう語彙力には、漢字力などの文字の知識も含まれます。日本語の場合、漢字学習の負担が大きいため、読解力に占める語彙力の割合は、他の言語よりも高くなると考えられます。
3) テキストカバー率が上がれば、読解レベルも上がる
あるテキストの中で、知っている単語が多ければ多いほど内容がよくわかるという、当たり前のことなのですが、では、知っている語の延べ語数の割合(=既知語のテキストカバー率)がテキスト全体の何パーセントになれば、どのぐらいの読解レベルに達するのでしょうか。例えば、テキストカバー率95%だったら、20語に1語は知らない単語だということになります。98%なら50語に1語が知らない単語です。ささまざまな研究がありますが、今のところ開発者は、授業で使用する素材の場合、93-95%程度、助けを借りずに自力で読むことを前提にした素材の場合、97-98%程度を目安に語彙レベルを調整しています。