読み物いっぱい

多読に使おう

多読とは?

読解の力をつけるためには、文章中に出てくる単語や文法構造を迅速に、自動的に、無意識のうちに処理する能力を高めなければいけません。これを「読みの流暢さ」と言います。従来の文法・翻訳式の指導法(多読に対して「精読」と呼びます)では、この「読みの流暢さ」が十分に育まれません。

そこで注目されているのが新しい指導方法の一つが「多読」です。多読では、学習者は、簡単で、楽しい読み物を、語彙や文法を気にせず、内容を追って、どんどん読み進めていきます。たくさん読むので読みの流暢さが育まれ、楽しい物を読むことでモチベーションも高まっていきます。

多読に使うときのアドバイス

具体的には、多読の場合、読み手は読み物の中の98%前後の語彙を知っているべきだといわれています。つまり、100語のうち未知語は1、2語以下でなければなりません。知らない単語が多かったり、難しい文法で書かれていたら、リズムを持って、大意を理解しながら楽しく読みすすめることができないからです。難しすぎる読み物では、読み手の意識は個々の単語や、文章構造を理解することに向かってしまい、流暢さを育むどころの話ではなくなります。また、「この話、これからどうなるんだろう?」と中身を楽しむ余裕も生まれず、日本語の読解をしたいというモチベーションも育ちません。

ですから、利用者の皆さんが先生で、学習者にこのサイトの読み物を勧める場合は、なるべくレベルの低いものから楽しんで、たくさん読むようにアドバイスをしてあげてください。また、学習者のレベルを見るためのツールもつけておきましたので、それでまず一人ひとりの学習者のレベルを調べてからアドバイスをしてあげてください。

多読として読んでもらう場合は、「やさしい読み物を、楽しんで、たくさん読んでもらう」ことが基本のルールであることを心にとめて、実践しましょう。「多読の場合は辞書をひいては駄目」とする考え方もありますが、規則として決めてしまうのはよくないかもしれません。読み物が簡単で面白ければ、辞書は自然にいらなくなっていくものです。

多読に関してご質問がおありの方は、運営者までご連絡ください。