速読に使おう
速読とは
「読み物いっぱい」でご案内する「速読」は、「スキャニング」や「スキミング」と言ったストラテジーではなく、「母語で普通に読書をする時のように、止まったり、後戻りせず、辞書に頼らず、リズムをもって、大意を理解する読み方」を意味します。これは、多読のところで説明している「読みの流暢さ」に通じるものです。
この速読を極めるためには、従来の文法説明中心、翻訳をさせる指導法では効果が上がりません。多読の時と同様に、「簡単な読み物を、大意を理解しながら(70%以上の理解)速く読もう」という指導が必要になってきます。
速読の練習を繰り返していると、単語や文法構造を無意識のうちに、速く処理ができ、後戻りも少なくなっていきます。このことは、研究によって実証されています。
速読に使うときのアドバイス
速読の練習の場合は、学習者に、多読の場合よりもさらに簡単な読み物を勧めましょう。速読の場合は、「読み物の中に知らない単語がない」のが理想です。週に3回くらい速読の練習をすれば、結構、早く効果が表れます。「1分間に何語読めたか」を記録するよう促して下さい。学習者のモチベーションがあがります。それぞれの読み物の最後には語数を表示してありますので、読んだ時間を計ったら、1分間に読めた語数がわかります。記録をつけていくためのグラフも用意してあります。
読み方の指導として、「母語で、簡単な新聞や雑誌などをおおまかな内容を理解するために、また楽しんで読むために読む時と同じように読みなさい」とアドバイスなさったらいいと思います。